こんにちは~!
あなたは学生時代少しでも、「学校は居心地がわるいな」と思ったことはないでしょうか?
学校、という括りじゃなくても部活、3人で仲が良かったけどたまに感じる疎外感、友達ができない塾、などなど。
ちょっとでも学生の時の「ここに私の居場所はあるのかな?」と思っている人がいれば、是非読んでほしくて紹介したいのが辻村深月さんの「かがみの孤城」です。
内容は覚えていなくても、こちらの作品は2018年の本屋大賞受賞作品なので、表紙を見たことがある!なんて思い出す人も少なくないはず。
本全体のページ数が550ページあり、見た目も分厚かったのですが1度ページを読み進めれば、あっという間に作品に引き込まれていき、1日で読み終わっちゃいました!
本を閉じたくない、この結末を見届けたい、と作品に引き込まれいきました。
かがみの孤城 あらすじ
こちらが、かがみの孤城のかんたんなあらすじです。
学校での居場所をなくし、閉じこもっていた“こころ”の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。 輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。 そこにはちょうど“こころ”と似た境遇の7人が集められていた―― なぜこの7人が、なぜこの場所に。 すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。 生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。(出典:Amazon)
かがみの孤城は3章構成になっていて、
- 様子見の一学期
- 気づきの二学期
- おわかれの三学期
の順に進んでいきます。
なんだか学校を思い出しますよね。
感想の前に簡単にキャラクター説明をします。
かがみの孤城 主要キャラクター
では、簡単にキャラクター説明をしていきます。
こころ
物語の主人公。ささいなすれ違いのせいでいじめのターゲットにされてしまう。
まさむね
ゲームが得意な男の子。色々なゲームを持っている。
アキ
活発な女の子。学校の話題にふれようとすることを極端に嫌う。
彼氏ができてから、見た目が段々と変わっていって……。
ウレシノ
恋愛至上主義の男の子。ご飯に目がない。
スバル
いつもマサムネと一緒にゲームをしている。
リオン
イケメンな男の子。ハワイの学校に通っている。
フウカ
大人しそうな女の子。ウレシノに好かれている。
喜多嶋先生
こころが通おうとしているフリースクールの先生。いつもこころに親身になって寄り添ってくれる。
オオカミさま
この9人を中心に物語が進んでいきます。
様子見の一学期
例えばこのシーン。
同じ年の人間なのに、彼女たちが、学校やクラスの、全部の、権利を持っている気がした。どの部活に入りたいと最初に言える自由、後から同じ部活を希望した子の「らしくないよね、やめたら」と陰で言える権利、どの子がイケてると決めて、自分たちの仲良しを選ぶ権利、担任の先生にアダ名をつける権利、---好きな男の子を真っ先に決めて、恋愛する自由。
クラスの1番上に君臨する女子の、力関係が強いことがハッキリと書かれているシーン。
ここには少なからず共感する人も多いのではないでしょうか。
丁寧にこころのいじめらていた過程が描かれているので、いじめられていた思い出がある人は読み進めていくのが辛くなるかもしれません……。
こころは深い傷を負い、家に引きこもっていたのですが、突然自分の部屋の鏡が光り出します。
光を追うと、綺麗なお城の中に自分以外の子どもが7人。
そこで、オオカミ様から「この中にある鍵を見つけることができた奴は願いを叶えることができる」と告げられます。
ここから、こころと、7人のこどもたちとの交流が始まりました。
絆が深まる二学期
一学期編ではそれぞれお互いのことを様子を見ながら接していたけど、だんだんとみんなの心の距離が近づいていきます。
特にウレシノのシーンに心を揺さぶられました。
ウレシノは、主要キャラクターの女の子たちのことを次々と好きになっていきます。
こころも勿論ウレシノに好かれていて、こんな描写を残しています。
恋愛至上主義の、こんな男子。みんなから嫌われて、学校にも行けてなくて、当然だ。
結構バッサリと……(笑)
この描写から分かるように、こころはウレシノのこと軽くみています。
それは、みんなも同じことを考えているようで、段々とからかっていくんですね。
そこでウレシノの感情が爆発します。
「僕の恋愛は、僕だからって理由だけで、さらして、からかっていいと思ってる。誰も本気にしないし、他のことだってそうだよ!みんな、僕なら何してもいいと思ってるんだ」
そんなこと、ある。
ウレシノだったらからかってもいい、許されると、こころも確かに思っていた。
ウレシノを、軽く、見ていた。
こころは罪悪感を覚えます。
ウレシノだからからかってもいい、許さる。そんなことはないはずなのに。
みんなだって、そんなことされて嫌だったはずなのに、気づいたらそっちの立場に立ってしまう。
ところどころ、共感してしまうポイントが沢山あります。
この一件を通して、またみんなの絆が深まっていきます。
「みんなと離れたくない」そう思い始めていた頃にオオカミさまから「願いを叶えたら、ここで過ごしたことは全部忘れてしまう」と告げられる真実。
願いを叶えるか、
それとも願いを叶えずにみんなでここの記憶を共有するのか。
表面上では一致する思いは、裏ではどうなのか……。
いろんな思考が交差していきます。
物語の全てが分かる3学期
願いを1つだけ叶えることができる、でもそれは、ここでの記憶を喪失してしまう。
みんなともうすぐでお別れになってしまう3学期で気づいた新しい、残酷な事実。
随所で食い違っていたみんなの会話の謎は?
オオカミさまの正体は?
喜多嶋先生にお世話になっているのは、こころ、ウレシノ、マサムネ、フウカ。
アキとスバルは喜多嶋先生にお世話になっていないのは、物語に関係あるの?
本のこの話の伏線が、おわかれの3学期三月からエピローグにまで綺麗に回収されていきます。
色んな伏線が回収され、最後の読了後がとても爽やかでした。
一学期で、暗い気分になったのが嘘の様で、みんなが一歩踏み出して頑張っていく背中に胸をうたれる感動がありました。
爽やかな読了と、一気に読み進めてしまうスピード感のある物語が魅力的
タイトルのその通り!
一気に読み進めてしまうスピード感!本の帯にも「2日で読み終わった」というコメントがありましたが私も1日で読み終わってしまいました(笑)
是非、辻村さんの魅力に取りつかれてみてください^^
ではでは~!